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zoom RSS 強制連行の提案

<<   作成日時 : 2008/06/20 12:03   >>

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 医師には普通の人が持っている当たり前の権利すらなく、普通に生きることが許されないようです。強制連行の提案が読売新聞から出ました。

医師増員 計画的な養成と配置を図れ(6月19日付・読売社説)

 医師不足を解消していくために、まずは必要な措置であろう。

 厚生労働省は、「安心と希望の医療確保ビジョン」をまとめ、養成する医師の人数について、これまでの「抑制」から「増員」へと方針転換した。

 1982年に医師数の抑制を閣議決定して以来、四半世紀ぶりの軌道修正である。医学部の入学定員は今年度約7800人だが、これをピークだった約8300人程度に増やす方針だ。

 政府は、70年代に1県1医科大学の設置を進め、医師の養成数を増やしてきた。しかし、80年代になると「将来、医師が増えすぎて医療費の高騰を招く」との見方が強まり、医学部定員の1割近い削減に踏み切った。

 ところが、現実にはいたるところで医師不足が叫ばれている。人口1000人当たりの医師数は2・0人で、経済協力開発機構(OECD)加盟30か国中27位だ。

 状況を見れば、積極的な増員へと、再度の政策転換は当然だ。むしろ遅すぎたと言えよう。

 だが、単に医師の全体数を増やすだけでは、直面している医師不足現象は解決できない。

 国はこれまで、医師数の増加ペースは抑制していたが、全体数を削減してきたわけではない。引退する医師は年間3000人前後なので、今でも毎年4000人ほど医師は増え続けている。

 にもかかわらず、「医師が足りない」という悲鳴が聞こえるのは、自治体病院など地域医療を担う中核病院を中心に、勤務医が次々と辞めていくからだ。

 総じて勤務医は開業医より収入が低く、長時間勤務の環境で医療にたずさわっている。

 とりわけ、産科や小児科、救急など、昼夜無く診察を求められる部門は過酷で、耐えかねた医師が開業医に転身している。医師が減り、残った医師はさらに過酷な状況になる、という悪循環だ。

 休日・夜間に対応しない開業医が少なくないことや、専門分野しか診ない医師が増えたことも、医師不足を助長している。

 こうした状況を改善するには、過酷な分野で頑張る医師、地域医療を昼夜支える医師に、格段に手厚く診療報酬を配分するなど、医療費の在り方を大胆に見直す必要があろう。

 不足が顕著な診療科の医師を重点的、計画的に養成することも重要だ。一定期間、指定の場所で医師に勤務してもらうような仕組みも検討すべきである。

(2008年6月19日01時42分 読売新聞)


 医師免許は奴隷への第一歩ってとこかな(これって何の罰ゲーム?)。前のエントリーで書いたように、確かに医師を増やすことは必要だし、遅すぎるくらいと言うのも理解できる。

>国はこれまで、医師数の増加ペースは抑制していたが、全体数を削減してきたわけではない。引退する医師は年間3000人前後なので、今でも毎年4000人ほど医師は増え続けている。

 これは確かにその通りだが、需要の変化を考えてない。患者がより高度な医療を求め、それに医師は答えてきた。その結果が専門医制度であり、細分化が行われたことにより、医師の絶対数が増えたにもかかわらず、医師が足りないという現象を引き起こしている。 簡単に言えば、昭和初期の医療水準でいいのなら、今ほどの医師数は必要ないだろう。心筋梗塞は点滴と安静のみでいいのなら、今の医師数でもまかなえるだろう。PTCAなんかはもちろん行われない。そうなれば病院での死亡は今の比ではない。これを社会が容認できるならそれでもいい(社会が容認すると言うことは訴訟が起きないってことだ)。でも、そんなこと考えてないでしょ、読売新聞さん。

>とりわけ、産科や小児科、救急など、昼夜無く診察を求められる部門は過酷で、耐えかねた医師が開業医に転身している。医師が減り、残った医師はさらに過酷な状況になる、という悪循環だ。

 休日・夜間に対応しない開業医が少なくないことや、専門分野しか診ない医師が増えたことも、医師不足を助長している。


 勤務医が過酷なことを認めるのはいいが、かといって開業医が諸悪の根源のような書き方には疑問を感じる。これを改善するのは実は簡単なことで、病院の診療費を開業医よりも高い水準にすればいい。今までの医療費は「なぜか」開業医の方が高い水準の医療費をもらっている。本来、大病院というのは設備も違えばマンパワーも違うはずなので、それにかかるコストも馬鹿にならないはずだ。にもかかわらず、病院の方が安い。これがそもそもおかしいのだ。もちろん需要と供給と言うことを考えても、今は需要過剰が起こっており、それに見合った価格設定がなされていないともいえる。ならばそれを是正してやればいい。
 こう書くと、開業医の団体である医師会の圧力とか言うのだろうが、そんなものがあるなら、診療報酬が減り続けるわけがない。その圧力をつかって診療報酬をどんどん上げることができたはずだ。それがない以上、そのような圧力は存在しないと考える方が普通。 で、開業医が増えていると書いているが、残念ながら「産科」に関しては、開業医といえど増えて無いように思う。うちの近所だけでもかつて5〜6あった産科開業が2つになった。つまり、産科医は開業しているのではなく、いなくなっているのだ。ではその原因は何か?わかっているでしょ、読売新聞さん。
 専門分野しかみない医師が増えていることに関しては、昨今の状況を考えれば当たり前だ。誰が訴訟覚悟で「いちかばちか」の治療をするものか。逆にそのようなことを行う医師は「リスクマネジメント」ができていないともいえる。
 かつての医師たちは確かにそれを行ってきたのかもしれない。しかし、その当時、今のような理不尽な訴訟の嵐に巻き込まれていれば、その医師たちも今の医師と同様の行動を取るだろう。
 具体的に言えば、昔なら「産後の肥立ちが悪い」といって、亡くなっていた妊産婦も多かったと思うが、それが訴訟につながったという話は聞いたことがない。特に産婆さんが行うお産ならなおさらだ。福島大野で起きた全前置胎盤&癒着胎盤というものであったなら、母子ともに死亡というのが当たり前だったろう。それをなんとかするべく医師たちはがんばってきた。その結果、周産期死亡率は世界でも最低レベルにまで下がった。その医師たちの努力に対して、患者、司法、マスコミは「とんでも訴訟」「医療過誤キャンペーン」で答えた。おそらく、これから周産期死亡率は徐々に上がり始めるだろう(なんと言っても診る人がいない)。これが現実だ。


>こうした状況を改善するには、過酷な分野で頑張る医師、地域医療を昼夜支える医師に、格段に手厚く診療報酬を配分するなど、医療費の在り方を大胆に見直す必要があろう。

 これは確かにその通り。病院を今の価格からぐんと上げれば、勤務医の過酷な状況は改善されるだろう(少々の値上げは何の役にもたたない)。ただし、どっかを減らしてそれを当てるという考え方は捨てた方がよいと思う。日本の医療費は世界的に見ても安いのだ。その安い医療費を支えているのが、医師たちの過酷な労働に他ならない。そんな中で医師をたたき続けたマスコミはどのような行動を示すべきだろうか?読売新聞にお聞きしたいな。
 で、この社説の極めつけがこれ。

>不足が顕著な診療科の医師を重点的、計画的に養成することも重要だ。一定期間、指定の場所で医師に勤務してもらうような仕組みも検討すべきである。

 大学入試・国家試験という難関を突破した医師を「強制連行」しようというわけだ。なるほど、確かにそうすれば頭数は何とかなるかもしれないな。その内容たるや恐ろしいものがあると思うが。このような医師を置くことに患者が理解を示せるだろうか?
 ついでに言うなら、もしこの「強制連行」が行われるなら、新卒の研修等は都市部の病院でやってもらおう。田舎の方では患者の数も都市部ほどではないので、研修としては不的確だろう。田舎にこそ、何でもできるスーパードクター(コトーかな?)が求められるし、それが一番効率がいい。都会でせいぜい新卒を鍛えてもらって、指導医を少し残してほかの医師は田舎の病院に配置するというのが、もっとも合理的だと思う(都会の人を使って新卒医師が練習するわけだ)。東京に本社を置く読売新聞にそのような提案ができるかなあ・・・

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