奈良障害者訴訟 普通校への入学根拠って、何だ?

 さて、今日も奈良障害者訴訟について。

 擁護者による「法律で決まってる」との声をよく聞くので、この数日、障害者が普通校へ行く根拠となる法律を探してみた。ところが、さっぱり見つからない。障害者支援団体のHPなんかもたくさん見たが、具体的に指摘しているものは無かった。一件指摘している様に見えて、実際調べてみると前提条件が省かれてたりするんだな。

 学校教育法施行令によれば、この子は確実に普通校には行けない。何でかと言われても、「法律でそうなってる」としか言えない。

学校教育法施行令
第5条 市町村の教育委員会は、就学予定者(法第17条第1項又は第2項の規定により、翌学年の初めから小学校、中学校、中等教育学校又は特別支援学校に就学させるべき者をいう。以下同じ。)で次に掲げる者について、その保護者に対し、翌学年の初めから2月前までに、小学校又は中学校の入学期日を通知しなければならない。

1.就学予定者のうち、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)で、その障害が、第22条の3の表に規定する程度のもの(以下「視覚障害者等」という。)以外の者
2.視覚障害者等のうち、市町村の教育委員会が、その者の障害の状態に照らして、当該市町村の設置する小学校又は中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める者(以下「認定就学者」という。)


これにつきる。この子が22条の3に引っかかるのは確実で、認定就学者となるしかない。それを認めるためには市町村の教育委員会が、「その者の障害の状態に照らして、当該市町村の設置する小学校又は中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情がある」と認めなければならない。この特別の事情というのが、「両親(介助者)の介助」であり、「校舎のバリアフリー」だろう。この特別な事情を町に丸投げではなあ。
 もちろん、最終的な目標(50年後とか100年後とか)としてそういうのを掲げるのはいい。しかし、今の下市町に「直ちにしろ」はとても受け入れられない。

 で、ついでに『障害をもつアメリカ人に関する法律』:ADA(Americans with Disabilities Act)についても調べてみた。まあ、ものの見事に条文そのものを提示したものがない。何でだ?この内容について、広く知らしめる必要があると思うのに、それを行っている団体は皆無(少なくとも、私は見つけられなかった)。

知られたくない理由でもあるのか?

まあ、理念としては立派なことだと思う。しかし、出来ないこともあるわなあ。それが端的に表れているのが「グレイハウンド社」の存在。この会社、今のところ、バリアフリーにしてない。2012年には対応することになった様だが、どうなる事やら。その時の動きに注目しましょう。


 さて、こういう「差別政策」と言う奴は、ある程度までは社会に許容されるだろう。しかし、行き過ぎればどうなるか?こうなる。

カリフォルニア州住民提案209号(1996年11月)

 この内容を簡単に言うなら、「人種・国・性別等の違いで差別も優遇もダメ」てなもんかな。この提案は、54%の賛成をもって成立した。これにより、カリフォルニア州の「アファーマティブアクション」が禁止された。
 この投票で勝った原因になったであろう事件は、白人教師の解雇問題。人員整理で白人が解雇された。その白人が「人種差別」として教育委員会を訴えた。結果は、白人の勝ち。人種差別として認定される。
 最高裁はこれが「人種差別」にあたるかを審議する予定だったが、「アファーマティブアクション」に不利な判決が予想されたため、和解。

 さて、これは人種における「アファーマティブアクション」の例だが、これが「障害者」へ向く可能性は否定できない。すでに、下市町民の「運動への非協力」という形になって現れている様な気がする。

 この訴訟で、町の勝訴の場合、日本全国で貧乏を理由に障害者排除がおこるという人がいる(私はそこまでひどくはないと思うが)。
 では、逆に町が敗訴した場合、どうなるか?その上、夕張化しようものなら、目も当てられない惨状になるだろう。全国の貧乏自治体において、少子化にゆれる日本中の小中学校の再編成が行われ、かなり数が減ることが予想される。集約が行われることで、資本効率も良くなるだろうし、「無駄」も省けるだろう。当然、バリアフリー化もしやすくなる。しかし、通学時間・距離は伸びる。

等しく便利になるのも 平等 なら
等しく不便になるのもまた 平等 だ


これは公共の福祉として正しいのか?私にはわからん。

 また、集約化によって障害者の数がそろうなら、「養護学級」を作りやすくなり、人員も補強できる。この中でおこるであろう事の一つは、「支援校」への就学認定が厳しくなる事。普通校での支援体制がとれていることを理由に、金食い虫の「支援校」をなるべく使わない様にするだろう。最悪の場合は、支援校廃止かな?もちろん、現状の普通校で十分な介護なんぞは期待できんし、リハビリも人手が全然足らん。これをいやがる障害者・家族はいると思う。

「それでもいい」という人もいるんだろうがね。

障害児・健常児にかかわらず、何が最良なのか、考えて行く必要があると思う。

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